アトピーにおすすめの本「アトピーが治った」には完治のヒントがある

アトピーに関する本は今までいろいろ読んできたけど、この前久々にアトピー関連の本を買いました。
「アトピーが治った。」はレビューを見て読んでみたくなったのですぐにAmazonで購入。
著者はNPO法人アトピーを良くしたい代表理事の横井謙太郎さん。そして皮ふ科しみずクリニック院長の清水良輔さん監修。
この本を読んだ感想は一言で言うとめっちゃよかった。
7人の重症アトピー患者の闘病記録
この本に出て来る人は著者の横井さんをはじめ全員が重症アトピー患者。それも幼少期から壮絶なアトピー体験を経験している人ばかり。
7人のアトピー体験談が書いてあるが、アトピーが完治した人、完治はしていないけどうまくコントロールしてアトピーと上手に付き合っている人とそれぞれ。
○○がアトピーに悪いからアトピーを治したいなら今すぐやめなさい!とか、○○がアトピーに効く!とかそんなことは書いてない。なにも押し付けてこないから読むのもしんどくない。
自分のアトピー体験談、幼少からアトピーが良くなるまでの経緯を包み隠さず語ってくれている。
もちろん自分にはこれが良かった、悪かったぐらいは書いてあるけど、それを読者に押し付けるようなことはない。だからストレスなく読める。
よし!これを読んでアトピーを治すぞ!みたいな気合いを入れて読むものじゃなくて、アトピーでつらい時や色々試しているのに良くならなくてしんどい時なんかに読むのにちょうどいい。
ありきたりだけど、自分と同じ悩みを持つ人の話だから読んでて共感できるし、つらいのは自分だけじゃないっていう気持ちになれる。アトピーに疲れた時に読むにもちょうどいい。
アトピーの治し方は人それぞれ
アトピーを良くしたい代表の横井謙太郎さんは「百人百様」という言葉をコンセプトにしています。「100人のアトピーの人がいたとしたら、100通りのアトピーの良くなり方がある」という意味でこの言葉を使われています。
この考え方は僕もとても共感できる。アトピーの原因は人によって違うし、なにが悪化させているかも人それぞれ。
アトピーが治った方法も全員に有効なわけじゃないし、その人には合っていた方法でも自分には合わないかもしれない。だから万人に効く有効なアトピー対策を提唱するのは難しいと思う。
脱ステして治った人はステロイドを今すぐやめろ!って言うし、ステロイドを使いながらでもアトピーが治った人もいる。ようはみんな自分の方法が正しいと思うから強く主張しちゃうんだろうね。そりゃあ自分が治ったんだからね。
でもそれを人に押し付けないこと。横井謙太郎さんはそれをわかっていてすごいフラットな考え方で共感できる。
で僕らアトピー患者はなんでも鵜呑みにしないこと。試してみて効かなかった、騙された、っていちいち落ち込まない。アトピーがひどい時は気が狂ったみたいに色々試してそのたび落ち込んで、みたいな悪循環に陥るけど、そういうのは良くない。
横井謙太郎さんと皮ふ科しみずクリニックの清水良輔先生はそんな「方法論」じゃなくて、心身医学的な観点でもって、アトピーに立ち向かう「心のあり方、持ち方」を考える機会をもたらしたいって言ってる。
アトピーを完治させるヒントはある
そもそもこの本はアトピーに有効な対策を書いているわけじゃない。方法論よりもあり方なんかを重視してるし。
それでもアトピーが完治した人の体験談だから、アトピーを治すヒントは得られる。皮ふ科しみずクリニック院長の清水良輔さんのコメントも然り。
心理療法が効いた人。カウンセリングを受けることで精神的に楽になり、アトピーも良い方向に向かった人。
心理カウンセラーの資格を取り、酵素栄養学、分子栄養学を学び、自ら実践することで完治した人。この人は心理カウンセラーの資格を取ったことで人に左右されない自分軸が手に入れられたことも大きかったと言っています。
温泉治療、自宅温泉湯治が効果があった人。周りの人の理解や支えがあり、アトピーの自分を肯定できるようになり、うまく付き合っている人。
海外生活でアトピーが治った人。
運動と半身浴、自分のアトピー闘病生活をブログで発信することで居場所を得られた、ストレス発散になってアトピーが治った人。ちなみにこれは著者の横井謙太郎さん。
脱ステと姿勢の改善、冷え取りによりアトピーが改善した人。
子どものアトピーを治すために脱ステし、家族全員でケアし、アトピーの不安を取り除き、認めてあげる。そういう家族療法ともいえる方法でアトピーとうまく付き合っている人。
この7人の体験談には自分にも当てはまることもあるし参考にもなる。
自分の子どもがアトピーの人なんかはすごいいいかも。
全員に共通するのは心境の変化があってアトピーが治った、それまで悪化と軽快を繰り返していたがうまく付き合えるようになったこと。
気持ちが影響するのはやっぱりアトピーが他の病気と違うところなんだと再確認。
アトピーが治った人には気持ちの変化が訪れたことがきっかけになっている
アトピー治療に最も必要なことは自主性。それは先生たちも、このアトピー体験記の方たちも実感している。もちろん僕も。アトピーが勝手に治ったらいいな~なんて良く思っていたけど、そんなことはほぼない。(そういう人もまれにいる。ストレスがなくなった、引っ越したら治ったとかはあるけど)
結局何かしらの行動を起こしてアトピーと向き合わないといけないし、やっぱりそういう日は来る。
本の言葉を借りると、治るんだという信じる気持ちと治すんだという強い意志が合致した時に、アトピーは一気に良くなる。
著者の横井さん、体験談に出てきた方みんながそう思っているみたい。
絶対に治すんだ!とかカウンセリングを受けるうちに気持ちの変化があり転機が訪れたとか、人によってさまざまだけどなにかきっかけがあるのもたしか。
なんだか精神論みたいだし何の根拠もないしこういう言い方はあんまり好きじゃないけど、僕自身もこれは当てはまる。それまでアトピー治したいとは思っていたけど、本格的に生活習慣変えよう!って本気になってから徐々に良くなっていった。
心の持ち方で行動も変わるし、精神的に上向きだと体にもいい影響が絶対ある。
アトピーでひどい時にポジティブになるのはなかなか難しいし無理するとそれがストレスになることもあるけど、強い意志もアトピー完治には大事なことなんだろうなって思います。
僕自身カウンセリングが必要なほど精神的に疲弊した経験がないからわからないけど、重症アトピー患者で心もボロボロになっている人にはカウンセリングは精神衛生上すごい良い影響があるんだなぁと思った。
アトピーでつらい、まわりにも相談できない、誰もわかってくれない、アトピーのせいで自分らしさが出せずに性格まで変わってきたなんて人は一度カウンセリングなんか受けてみるのも有効なんだと思う。
この本にはそれで救われた人がいるから。
また、著者の横井謙太郎が代表を務めるNPO団体「アトピーを治したい」ではアトピーサロンやアトピーカウンセリングなどを行っているようで、アトピーの悩みを抱える人と交流ができたり、話を聞いてもらえるので、興味のある人は覗いてみてください。
アトピーに悩む人は一人じゃないし、こうやって重症アトピーの人でも完治した人はいる。僕だって治った。アトピーは治る。
アトピー治療法探しに疲れたらたまにはこういう本読むのもいいと思う。